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ゴルフスイングにおける遠心力の本当の意味

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ゴルフの物理現象で、レッスン等で頻繁に出てくるにも関わらず、まともに解説がなされた試しがない事の一つに「遠心力」という言葉があります。

ゴルフスイングは回転運動であり、クラブヘッドは円を描くように振られるので、遠心力が働いている事は間違いない事実です。しかし「遠心力を使って飛ばせ」と言われても、果たしてどうやれば上手く、この目に見えない物理現象を活用できるのか、誰も言葉では説明できていません。当サイトでは、おそらく日本で初めてとなる、ゴルフスイングにおける遠心力の本当の意味を解説してみます。

ゴルフスイングには遠心力が掛かる

ゴルフで遠心力を最大限に生かすために最も重要な事は、とにかくダウンスイング中に回転の軸を動かさない事です。具体的には、腕を飛球線方向に振ることや、スウェーすることは、遠心力がほどけるので、絶対にやってはいけない事になります。

遠心力を使うスポーツの代表格はハンマー投げです。室伏広治をはじめ大半のトップ選手が7回転して投げますが、全員がその場で2回転ほどして3回転目から助走し始めます。最初の二回転で遠心力を安定させて、その後から投げる方向へ動いていきます。回転と同時に、いきなり助走を始めるような選手は一人もいません。

遠心力の方向が定まらないまま助走を始めると、十分な遠心加速が得られないのです。ゆえに、選手は皆その場で動かず2回転ほどすることで、ハンマーの遠心起動を確定させてから、投げる方向へ助走し始めるのです。

ゴルフスイングは、トップからインパクトまでクラブヘッドは大体3/4回転、横峯さくらやジョン・デイリーのような超オーバースイングの選手でも、一回転弱の移動しかしません。従って、スイング中は遠心力の起動がまだ全然安定していない状態なのです。

この不安定な状態で、余計な動き(腕を飛球線方向に振る、スウェーする、など)を行えば、ヘッドに懸かり始めた遠心力がほどけて、スイングに力が乗らなくなるのです。下の図はゴルフスイングを真上から見た状況を表現していますが、クラブヘッドは身体の中心を軸として円を描くような起動を辿ります(赤線)。ボールを飛ばしたいと思うと、普通の感覚だと飛球線方向(青線)に手を振りたくなりますが、それは遠心力に逆らった動きになるので、かえってヘッドスピードが下がり、飛距離が出ないのです。

スイング中に何もしない事こそ、遠心力を最大に生かす方法なのです。

ゴルフの遠心力

腕を振ったりスウェーすると、遠心力がほどける

ゴルフレッスンで「手は何もしない(動かさない)」とか「スウェーするな」という教えがある意味は、ダウンスイングの途中で余計な動きを行えば、遠心力がほどけるからです。特にボディーターンスイングの場合は、背骨を軸に身体を回転させるだけで、他の動作は一切行わないことが非常に重要になります。フェースが開くのを避けようと下手に手を返すよりも、腕とクラブを一体にして、ハンマー投げのように回転軸を動かさずにその場でクルンと回る事だけに注力すれば、正しく遠心力が働いて、実はインパクトエリアではクラブヘッドが勝手に閉じてきます。

ですから中井学プロなどに代表されるボディーターン型のスイングを身に付けるためには、とにかく腕を振らないことと、身体の回転軸を動かさない事が重要になります。中井プロがよく言う「クラブに振られろ」と言うレッスンは、腕とクラブを一体にして、決して手で動かそうとせず、身体の回転(=遠心力)だけで勝手にクラブが戻ってくる感覚を表現したものです。

一般男性よりもはるかに小柄で非力な女子プロが、アマチュア男性よりも飛距離が出る理由は、この遠心力の力を最大限に利用しているからです。逆に言うと、アマチュア男性がまともに遠心力の使い方を体得すれば、当たり前の話ですが彼女たちより飛ぶようになります。アマチュアでもシングル(ハンディキャップが10未満)レベルの人になると、女子プロよりも飛ばす人の方が多いですからね。

とにかく飛距離を伸ばしたいなら、遠心力の力を利用する事が不可欠です。腕力に任せて腕を振り回しても、シャフトが順しなりを起こしてフェースが開き、全然飛びません。この事は、ゴルフの物理現象を知らずに腕力で振り回して、ヘッドスピードが47〜8も出ているのに全然飛ばなかった当サイト管理人の実体験からも、断言できる事です。

ゴルフスイングの遠心力の意味まとめ
・クラブヘッドはスイング中、円を描く起動をたどり、必ず遠心力が働く
腕を使わずに身体の回転だけで振れば、遠心力を最大限に生かす事が可能
・飛球線方向に腕を振ったり、身体が流れたり(スウェー)すると、遠心力がほどけてヘッドスピードが下がる

なお、クラブヘッドの軌道に沿った方向(上図の赤線)に腕を振るのであれば、理論上、遠心力を阻害せずにヘッドスピードを上げる事が可能です。その最たる例が、シャフトの前倒しという動きです。またバンプする打ち方より、体重移動が少ない一軸スイングの方が、遠心力が阻害されにくいので、アマチュアの人にはお勧めです。

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