ゴルフ72のコツ
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ゴルフスイングで重心を低く保つべき理由

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ゴルフレッスンでは「身体が伸び上がっている」とか「前傾角度がキープできていない」という旨の注意をよく見かけます。また「シャフトクロス」「オーバースイング」なども御法度と教えるプロは多いです。では何故ゴルフでは、前傾角度が崩れる=身体が伸び上がる事がダメなのでしょうか?伸び上がりのデメリットを物理的に解析してみます。

ゴルフスイングでは、バックスイングで腕とクラブが上昇していき、トップでは頭より高い位置までクラブヘッドは持ち上がります。この動作では、人間の感覚以上に上方へ持ち上げられる力(物理用語で言う慣性力)が働いており、気を付けないと身体が伸び上がる=前傾角度が崩れやすくなるのです。

クラブに働く慣性力の大きさは、簡単な実験で体感できます。目を閉じてバックスイングして「クラブが地面と平行(水平)」になる位置で止めようとしてみて下さい。ほとんどのアマチュアゴルファーが、平行よりもかなり上まで行ってしまいます。時計の針で言うと、9時の場所で止めたいのに、10時〜酷い人だと11時以上まで持ち上がってしまいます。

これは、自分の意識は平行で止めているが、ゴルフクラブには大きな慣性力が働いているため、行きすぎてしまう事が理由です。走っている車や自転車が、ブレーキを掛けてもすぐには止まれないのは、動き続けようとする力=慣性力があるからです。ゴルフスイングでも同じで、わずか300グラム台のクラブを「ゆっくりと」バックスイングするだけでも、簡単には止まらないほどの力が働いているのです。

そしてスイングは円運動ですから、テイクバックの後半ではクラブが上方へ押し上げられるように力が働きます。よって、この慣性力に逆らう(重心を低く保つ意識)ようにしないと、身体の右サイドが引っ張られて「伸び上がり」が起きてしまうのです。

このように身体が伸び上がってしまうと、アドレス時のボールとの距離が変わってしまいます(遠くなる)。伸び上がりを矯正しない初心者は、トップやチョロばかりになるので、本能的にダウンスイングでクラブを引き下ろす動きが大きくなります。すると今度は、身体の上下の動きが大きくなり、ダフリ・ザックリも起きるようになり、上下の打点が一向に安定しなくなります。

また、トップの位置で伸び上がっていると、必然的に身体の重心も高くなります。重心が高いとバランスが不安定になり、ダウンスイングでのクラブの軌道も乱れやすくなります。この2つが、伸び上がり(前傾角度が崩れる)で発生する問題です。

身体が伸び上がると、重心が上がってスイングが不安定になる

身体の伸び上がりを矯正するには、膝や腰の曲げた角度を崩さない意識を持ったり、右足を踏ん張る(踏み込む)ことなどを行って、重心を低く保つことが重要です。「伸び上がるな」「前傾角度キープ」「オーバースイングNG」などの本当の意味は、『重心を低く保て』という一言に集約できるのです。

レスリングや相撲や柔道など、組み合う格闘技では例外なく「低く当たれ」との教えが徹底されます。力の強い大男でも、重心が高ければバランスが不安定で、投げられやすくなるのです。また、F1カーにウイング(羽根みたいなやつ)が付いているのも、ダウンフォースを得て重心を低く保たなければ、安定して高速走行できないことが理由です。

ゴルフも実はこれらと同じで、重心が上がってしまうとスイング軌道がブレやすくなり、ダフリやトップなどの「上下の打点のズレ」が頻発するのです。

ゴルフで軽く膝を曲げてアドレスする理由は、身体の重心を低くする意味があるのです。少し知恵のある初心者の中には「膝を伸ばしきって振った方が、ボールとの距離が一定なので安定するのでは?」なんて言う人も居ます。確かに一見するとその通りなのですが、膝が伸びているとそもそもの重心が高いので、バックスイングでの上方向への慣性力に対抗できず、かえって打点が安定しないのです。

したがって、アドレスでは少し膝を曲げて腰も前傾させて構えるのが、ゴルフスイングでは絶対に必要な要素なのです。最初から伸ばした状態よりも、むしろ少し曲げた状態の方が、上への慣性力に対抗して重心を保ちやすいのです。


※ダウンスイングで頭が極端に沈み込むポーラ・クリーマー

なお、プロゴルファーの中にはあえて重心を上下させ、その力を使って飛距離をアップさせている人も居ます。「スイングのお手本だ」と評判の高い宮里藍プロも、実はトップで若干重心が上がり、ダウンスイングで頭が10cm位は沈み込ませています。ポーラ・クリーマーやレクシー・トンプソンのように、ダウンでとんでもなく頭が沈み込むプロも居ます。

しかし、これはかなり高度な技術で、練習量の限られるアマチュアゴルファーが参考にすべきスイングではありません。アマチュアは単純に「重心を低く保つ」事だけに専念すべきです。

ゴルフスイングで重心を低く保つべき理由まとめ
・スイングの慣性力は大きいので、身体が伸び上あがりやすい
・重心が上がると上下の打点がズレて、ダフリやトップが起きる
・アドレスで腰や膝を曲げて重心を低く保つ事が重要!

このように、ゴルフスイングでは「重心を低く保つ」ことを意識して、その動きをマスターすることが、打点が安定してスコアアップに繋がります。初心者の人は、とにかく慣性力に負けず、重心を低く保つ事を意識して練習すべきです。

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