ゴルフ72のコツ
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オーガスタの12番ホールが世界一難しいPER3である理由

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オーガスタナショナル・ゴルフクラブは、4大大会の一つ=マスターズの開催地であり、世界で最も敷居の高い会員権を持つゴルフ場です。オーガスタには数多くの名物ホールがありますが、中でも有名なのが「世界一難しいショートホール」という口コミも多い、12番ホール・155ヤードのPER3(通称・ゴールデンベル)です。

この12番のPER3はオーガスタの中でも最も短いホールです。今時のPGAツアーでは250ヤードを超えるPER3も珍しくない中、155ヤードというのは極めて短い距離であり、ほとんどのプロが8番以下のショートアイアン〜飛ぶ人ならウェッジで打ちます。

にも関わらずマスターズトーナメントでは、グリーン手前の池(ラエス川)の真ん中当たりにキャリーで池ポチャしたり、奥の茂みに打ち込むような大オーバーするプロもいます。たかが150ヤードを世界のトッププロがとんでもなく距離を外す訳は、目に見えない「罠」が潜んでいるからで、その事がこの12番ホールを難易度を高めているのです。

※この12番は、マスターズの歴代通算で平均ストロークが4番目に悪いホールとの事です。

その罠とは、グリーン周辺の上空で風が舞っていて、どこに落ちるか予測するのが難しいことです。このホール、ティーグラウンド周辺は木が無く開けており、特に隣の11番ホールのフェアウェイ方向から、縦方向の風の通り道になっています。しかしグリーンとの中間地点より先で、今度は13番ホールのフェアウェイ方向への吹き抜けが合流します。そしてグリーン手前では、池(ラエス川)に沿った横向きの風の通り道が合わさります。しかもグリーン周りは高い木に覆われていて、風が不規則に対流しやすい地形になっているのです。

このややこしい地形のため、風の向きを読めなくしており、ショートアイアンで打たれた高い球が、不規則に風に煽られて池ポチャや大オーバーを誘発するのです。

レダンホール=当たりが薄いと池ポチャ!

かといって、風に影響されにくい低い球で攻めるのも難しいです。この12番ホールは、グリーンの奥行きが10ヤード程度しかないうえ、手前の池が右奥へ向かって伸びる「レダンホール(レダンスタイル)」と呼ばれるレイアウトをしています。

ゴルフでは、球が右に曲がる(スライス)と、必ず飛距離が落ちるという性質があります。よって、グリーンが左手前から右奥に伸びていて、右手前に池やバンカーがあると、極端に難しくなるのです。レダンホールは、この性質を利用したレイアウトという訳です。

従って、この12番ホールを風に負けない低い球で攻めると、当たりが薄いと右へスライスして池ポチャの危険が高まるのです。何より「鏡のグリーン」と呼ばれるオーガスタの超速グリーン(スティンプメーターで約14フィート!)で、しかも奥行きが10ヤード程度しかないのを、低いパンチショット・スティンガーショットでグリーンに止めるのは相当難しいのです。


※12番ホールの風を研究した番組

ということで、どんな球を打とうが必ず問題にぶち当たるのが、この12番ホールなのです。オーガスタナショナルの11〜13番は通称「アーメンコーナー」と呼ばれますが、特にこの12番ホールは読み切れない風に流されるリスクが高いので、打った後は文字通り祈るしかないようなホールなのです。

マスターズ(オーガスタナショナル)は左打ちが有利だ、なんて口コミもよく聞かれます。その理由の一つに、この12番ホールのレダンスタイルが、左打ちには難しくなくなる(薄い当たりでも池ポチャしない)事が挙げられます。実際にマスダーズでは、ゴルフ界の2大レフティーであるフィル・ミケルソンが3勝、ババ・ワトソンが2勝しています。

オーガスタの12番ホールが世界一難しいPER3な理由まとめ
・12番PER3(ゴールデンベル)は155yなのに平均スコアがとても悪い
・地形からグリーン手前の池の上空で風が舞っていて読めない
・レダンホールで当たりが薄いとすぐ池ポチャになる

余談ですが、1990年に大阪で開催された「国際花と緑の博覧会(花博)」では、オーガスタの12番を再現した「ゴールデンベルパビリオン」が作られたという歴史もあります(⇒当時の写真があるサイト)。しかし、グリーンまでの感じは似ているものの奥の木々が無いため、本物の12番のような風の対流は表現できていません。

それどころか、奥にジェットコースターや観覧車が見えるため「子供だましで興ざめだ」と酷評の口コミで溢れていました。ゴルフはその土地の自然が生み出す独特の気象条件があるので、どんなに科学が発達しても、別の場所に全く同じコースを造ることは不可能なのです。

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