ゴルフ72のコツ
初心者でもお金を掛けず、最小限の練習でゴルフが上達するコツを紹介します。

笠りつ子のスイング動画(ノーコック打法)

HOME > 有名プロの内容 > スイング動画 > 笠りつ子

笠りつ子(りゅう・りつこ)プロは、2016年に賞金女王争いを演じた日本のトッププロの一人です。熊本なまりのトークと天然なキャラクターが可愛いと人気ですが、そのスイングも非常に独特なので、後方からのスロー動画と共に解析してみます。

笠りつ子プロは、スイング中に手首を縦(親指方向)に折る「コック」の動作を行わないのが、最大の特徴です。本人曰く「小さい時からこうやっていたから、コックのやり方自体が分からない(笑)」そうです。笠りつ子プロは、坂田信弘氏の坂田塾出身ですが、別に他の卒業生(古閑美保、上田桃子ら)は普通のスイングなので、ノーコック打法は彼女が独学で身に付けた技術な訳です。


※笠りつ子プロのスイング動画(スロー)

一般的に、コックを使わないスイングは「方向性が良くなるが飛距離にはマイナスだ」との評判が定着しています。笠りつ子プロもショットが曲がらないことで定評があり、2016年や17年はパーオン率やフェアウェイキープ率でツアーのトップ5に入る数値でした。しかし、決して飛距離を犠牲にしている訳では無く、笠りつ子プロのドライバーショットは、調子の良い時は軽く250ヤードを超えてきますから、女子プロの中ではむしろ飛ばし屋に分類できるほどです。

上記のスロー動画を見れば、その飛距離の秘密が垣間見れます。確かにコックを使わない分、トップでシャフトが地面と平行な角度まで行っておらず、浅いコンパクトなトップと言えます。但し、グリップの位置は頭の高さよりも上なので、かなりアップライトなスイングです。

グリップ(腕)が高いトップほど、位置エネルギーが大きくなる=ダウンスイングで落下速度を利用できるので、飛距離アップにはプラスになります。その証拠に、ドラコンプロの人達は皆、フライングエルボーでグリップが高い位置に上がるアップライトなトップであり、ベン・ホーガンのようなレイドオフなトップに収めるドラコン選手は皆無です。

縦のコックは使わないが、横のヒンジングは使っている

そしてもう一つ、笠りつ子プロは手首を親指側に折る「縦のコック」こそ使っていませんが、右手首を甲側に折る「ヒンジング(横のコック)」はしっかり行っています。そしてこのヒンジの角度をしっかり保ったまま、ダウンスイングしています。

ゴルフで飛距離を出すには、インパクトの瞬間に右手首が若干、甲側に折れた状態であることが絶対です。これは野球やテニスなど、あらゆる球技で共通する動きで、手首が伸びきっていてはボールに当たった衝撃に負けない(ボールをしっかり押す)ためです。サンドバッグを叩く練習なんてものがあるように、手首をキープする動きは非常に重要です。

★関連ページ;サンドバッグを叩く練習の意味と有効性

そしてインパクトの直後から強烈に手を返し、右手が左手を追い越すような動きをしていることが、上記の動画ではっきり見て取れます。つまり笠りつ子プロは、縦のコックこそ使わないが、手首を横に使うヒンジングと、アップライトなトップを作る事によって、ノーコックによる飛距離ダウンの影響を相殺しているのです。

笠りつ子(りゅう・りつこ)プロのスイング動画まとめ
・手首を縦に折らないノーコック打法で、方向性を高めている
・縦のコックは使わないが、手首のヒンジング(横の動き)は使う
・トップはコンパクトに見えるが、腕が高いアップライトなスイング

笠りつ子プロのスイングは、かなり特徴的ではあるものの、アマチュアゴルファーが参考に取り入れたい動きも沢山含まれています。彼女のような高いトップは、肩・首回りの柔軟性が不可欠なので難しいですが、手首のヒンジングは絶対に真似すべき所です。

またショットの方向性・安定性の無さに悩むアマチュアゴルファーは、ノーコック打法を試してみる価値はあると思います。飛距離はワンクラブ分ほど落ちますが、ミスショットは確実に減るはずですから、100前後で彷徨っている人なら、スコアは良くなる可能性が高いですよ。

当サイトはリンクフリーです。画像や文章の盗用は禁止致します。
Copyright (C) 2016 www.golf72kotu.com All Rights Reserved.